タバコや喫煙により薄毛やAGAになる可能性とは

 
昔から「タバコを吸うと薄毛が進行する」「喫煙するとAGAになる」など、タバコや喫煙は頭髪に良くないとされる情報を少なからず1度は耳にしたことがある方も多いかと思います。

そこで「百害あって一利なし」と言われ健康に悪影響を与えるタバコが、果たして薄毛やAGAにとっても悪影響を与えるのか、またその場合にはどのような影響があるのかを解説していきます。

タバコに含まれる有害物質

まずタバコに含まれる有害物質の説明をする必要があります。タバコには発がん性物質も200以上含まれていると言われていますが、今回取り上げる成分は喫煙と薄毛やAGAと関係の深い、血管収縮作用のある「ニコチン」と血中の酸素運搬を阻害する作用のある「一酸化炭素」の2つをピックアップして説明していきます。

タバコの有害物質:ニコチン

タバコの中に含まれる成分で有名なのがニコチンです。タバコの煙から体内に取り込まれ、血液によって急速に全身へ広がります。ニコチンの作用は、毛細血管を収縮させて血圧が上昇するほどの強い血管収縮です。喫煙した際に、目の前がクラクラするようなめまいを起こすこともあり、これは血管が収縮したことで脳に酸素が行き届いていない身体からのサインになります。

参考:e-ヘルスネット ニコチン

タバコの有害物質:一酸化炭素

一酸化炭素は体内に取り込まれると、血中のヘモグロビンと結びついて体内に広がります。ヘモグロビンは、酸素と結びついて全身に酸素を運ぶ役割がありますが、一酸化炭素と結びついてしまうことで酸素が運べなくなってしまうのです。しかも一酸化炭素は、酸素の200倍以上ヘモグロビンと結びつきやすい性質をもっています。このように一酸化炭素がヘモグロビンと結びついてしまうことで酸素が運搬できず、酸素不足になってしまう状態が一酸化炭素中毒です。

参考:e-ヘルスネット 一酸化炭素

喫煙やタバコによる薄毛やAGAへの影響

上記で解説した通り、喫煙やタバコで体内に吸収されたニコチンや一酸化炭素は血液の循環において悪影響をもたらしていることがわかります。ではそれらが薄毛やAGAにどのような影響を与えているのかを見ていきましょう。

薄毛やAGAへの影響1:抜け毛が増える

喫煙によりタバコに含まれるニコチンと一酸化炭素の作用によって血管が収縮し、全身に酸素が届きにくくなります。当然ですが髪の毛の成長と脱毛をコントロールしている毛乳頭細胞にも、酸素が届きにくくなってしまいます。

毛乳頭細胞が酸素を受け取れないと、髪の毛の細胞となる毛母細胞に細胞分裂やそれを促すシグナルが出せなくなってしまい、毛髪は正常な成長が困難になることで髪の毛は細くなり、抜け毛が増え薄毛の症状が進行する可能性があります。

薄毛やAGAへの影響2:毛髪の成長を阻害する

髪の成長もたんぱく質を主にした栄養素の供給が不可欠です。しかし、喫煙することで血管や毛細血管が収縮し、血管が狭くなることで、本来摂取した栄養が行届くはずの頭皮や毛髪に届かないことがあります。そうなると、本来成長すべきペースで毛髪が成長できなくなる恐れがあります。その場合には、抜け毛が増え薄毛の症状が進行する可能性があります。

薄毛やAGAへの影響3:体内のDHT濃度の上昇

1994年に公開された医学雑誌JCEM(The Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism)には、ハーバード大学が研究したタバコや喫煙によるAGAへの因果関係が掲載されています。アメリカの中年男性1241名の喫煙者と非喫煙者を比較した際に、喫煙者の体内の男性ホルモンの濃度が高くなることが分かりました。その研究の報告によると男性ホルモンの中でも、AGAによる脱毛の原因とも言えるDHT(ジヒドロテストステロン)の濃度が、非喫煙者に比べて14%高いことが分かりました。

参考:国立衛生研究所「The relation of smoking, age, relative weight, and dietary intake to serum adrenal steroids, sex hormones, and sex hormone-binding globulin in middle-aged men」

ただし、AGAはDHT(ジヒドロテストステロン)が増加したとしても、毛乳頭細胞にある受容体(アンドロゲンレセプター)と結合しないと、DHT(ジヒドロテストステロン)は毛乳頭細胞へ脱毛シグナルを発しませんのでAGAの発現や進行に直接的な影響がある訳ではありませんが、AGAの遠因(間接的な原因)には影響があります。

AGAのメカニズムについて詳しくはこちらをご覧ください。

詳しくはこちらの記事をご覧ください

AGAや薄毛治療におけるタバコや喫煙の考え方

タバコの煙に含まれるニコチンや一酸化炭素などの影響により、髪の成長や発育を妨げ薄毛になりやすい環境を作ってしまうことは事実です。

また、喫煙が直接的なAGA(男性型脱毛症)発症の原因ではありませんが、DHT(ジヒドロテストステロン)の濃度が上がることでAGA発症の可能性を高めてしまうという点でいえば、AGA治療中においては喫煙は出来る限り控えたい習慣の一つと言えます。

あくまで喫煙は個人の判断による物ですが、これからAGA治療を検討されている、または治療中だが発毛効果の実感が薄いと感じられているのであれば、AGA治療の間だけでも無理のない範囲で喫煙を中断することをおすすめいたします。

記事の監修医師

正木 健太郎銀座総合美容クリニック 院長
【略歴】
・平成14年 岡山大学医学部卒
・平成20年 銀座総合美容クリニック 開院
【所属学会】
・日本形成外科学会 正会員
・日本臨床毛髪学会 正会員
・日本再生医療学会 正会員
・日本美容外科医師会 正会員

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