ハミルトン・ノーウッド分類とは AGAの薄毛進行パターン

 
AGA(男性型脱毛症)は頭頂部と前頭部、いわゆるつむじと前髪の生え際から抜け毛が増えて、徐々に頭皮が透けるようになる進行性の薄毛の疾患です。

AGA(男性型脱毛症)のメカニズムについて詳しくはこちらをご覧ください。

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このAGAは髪が薄くなる進行パターンに複数の特徴的なパターンがあり、AGAといても人により薄くなるパターンや過程は異なります。そしてこのAGAの髪が薄くなる進行パターンをまとめた指標をハミルトン・ノーウッド分類といいます。

今回は、AGAの脱毛パターンの指標になるハミルトン・ノーウッド分類について解説していきます。

ハミルトン・ノーウッド分類とは

ハミルトン・ノーウッド分類の名前の由来は、初めてAGA(男性型脱毛症)の薄毛の進行パターンを分類したアメリカの皮膚科医「ハミルトン」氏、その後、その分類に更に改良を加えて現在の形にした「ノーウッド」氏の両名の名前からとられた分類法です。

なお、ハミルトン・ノーウッド分類は欧米人のAGAの進行パターンをまとめた物で、日本を含めたアジア人のAGAの進行パターンは異なる為、現在の日本で使用されているハミルトン・ノーウッド分は日本の皮膚科医の高島巌氏が日本人や女性向けにと修正した「高島分類」の、頭頂部が薄くなるIIvertex を加えた分類が使用されています。

ハミルトン・ノーウッド分類
分類 症状
Ⅰ型 AGAの初期症状。生え際が少し後退しているが、あまり見た目に変化がない状態。
Ⅱ型 Ⅰ型よりも生え際の薄毛が進行している状態で、見た目に変化が現れ始める状態。
Ⅱ型 vertex Ⅱ型に加え、頭頂部の薄毛がO型に進行し始める状態。
Ⅱa型 Ⅱ型に加え、前頭部の薄毛が進行している状態。
Ⅲ型 生え際の薄毛が進行してM字になっている状態。全体的な髪のボリュームも減少している状態。
Ⅲ型 vertex Ⅲ型に加え、更に頭頂部の薄毛がO型に進行して頭皮の露出が目立ち始める状態。
Ⅲa型 生え際の薄毛が進行してM字になっている状態。全体的な髪のボリュームも減少している状態。
Ⅲ型 vertex Ⅲ型に加え、更に頭頂部の薄毛がO型に進行して頭皮の露出が目立ち始める状態。
Ⅳ型 生え際が後退し、頭頂部がO型に薄くなっている状態。
Ⅳa型 Ⅲa型より更に前頭部の薄毛が進行して髪が残っていたM字の中心部分も薄くなっている状態。
Ⅴ型 生え際の後退がより進行した状態。同時に頭頂部も頭皮が完全に露出し始める状態。
Ⅴa型 Ⅳa型より更に前頭部の薄毛が進行して頭頂部の髪の毛も薄くなり始める状態。
Ⅵ型 生え際から頭頂部にかけて完全に頭皮が露出した状態。
Ⅶ型 頭頂部から更に後ろまで薄毛が進行して頭皮が露出した状態。

AGAの進行に伴う特徴的な脱毛パターン

AGA(男性型脱毛症)が進行すると、生え際や頭頂部に特徴がでてきます。その脱毛の仕方はアルファベットの形に似ているため、M字型・O字型・U字型と分けられます。

M字型:Ⅰ型~Ⅴ型

額の生え際が後退することでおでこが広く感じるのがM字型の特徴です。AGA発症初期の、Ⅰ型からⅡ型のころに現れる違和感と言えるでしょう。前髪をすべて上げた際に、アルファベットのMの字になるかたちで、こめかみの上部の頭皮が露出しています。

O字型:Ⅱ型 vertex~Ⅳ型

上から見たとき、アルファベットのO字のように頭頂部が脱毛していきます。ハミルトン・ノーウッド分類で言うと、Ⅱ型 vertex~Ⅲ型 vertex、Ⅳ型以降に見られる脱毛パターンです。ご自身では鏡で見えにくいこともあり、ご家族や友人に指摘されて気が付く方が多くいらっしゃいます。

U字型:Ⅳa型~Ⅶ型

M字型のように額の両端が後退するのではなく、額全体が後退していきます。同時にO型も併発することが多く、前頭部から頭頂部までの大部分で脱毛してしまうため、早期の治療が必須と言えるでしょう。

AGAの脱毛パターンと治療薬について

「M字ハゲに効果がある治療薬はどれですか」という声をよく聞きますが、AGA(男性型脱毛症)のM字型に効果的な治療薬、O字型に効果的な治療薬といったように、どの部分だから効果的であると言える治療薬はありません。

額の生え際が両端から後退していくM字型や頭頂部から薄くなるO字型、額の生え際が全体的に後退するU字型はどれもDHT(ジヒドロテストステロン)が原因で脱毛しているからです。DHTを生成させないために、男性ホルモンと5αリダクターゼという還元酵素が結びつくのを阻害して、AGAの進行を阻止する必要があります。

そのため脱毛の仕方がM字型であっても、U字型であっても処方や処置の内容は基本的には変わりません。内服治療の場合であれば、フィナステリドまたはデュタステリド、ミノキシジルを処方しています。

ただし処方するにあたり、フィナステリドは5αリダクターゼⅠ型のみ、デュタステリドは5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の阻害薬です。頭皮の状態を確認してから、医師がどちらの方がより効果が表れやすいかを診断します。

AGA(男性型脱毛症)治療薬について詳しくはこちらをご覧ください。

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AGA発症のサインのチェック方法

AGA(男性型脱毛症)でみられる脱毛の仕方はハミルトン・ノーウッド分類で進行具合を確認することができます。しかし、AGA発症のサインは頭皮だけではありません。このハミルトン・ノーウッド分類でAGAかどうかをチェックされる際に、こちらの項目にも該当がないかチェックしてみてください。

抜け毛が増えた

ハミルトン・ノーウッド分類で薄毛の進行が分かる手前のAGAの特徴的な症状としては、見た目に変化はなく抜け毛が増え始めます。これはAGAでヘアサイクルが乱れ始めた初期の段階に見られる症状です。この段階でAGA治療などの手立てを打たないと徐々に髪のボリュームが落ち、ハミルトン・ノーウッド分類に見られるような、見た目にも顕著に髪が薄くなっていきます。

AGAとヘアサイクルについて詳しくはこちらをご覧ください。

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母方の家系に薄毛の人がいる

男性ホルモンが5αリダクターゼと反応し、DHT(ジヒドロテストステロン)へと変換され、それが毛乳頭細胞内にある男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)と結びつくことで、脱毛するメカニズムがAGAです。この5αリダクターゼの活性レベルは優性遺伝のため、母方父方どちらか一方でも遺伝子情報を持っていると遺伝されます。男性ホルモン受容体の感受性は、母方のX染色体が影響していることが知られており、これによってAGAや薄毛は遺伝すると言われています。

しかし、身内にAGAになった人がいるからと言って、必ずしもAGAが発現するとは限りません。あくまでもAGAになる可能性があるだけですが、AGAクリニックでは遺伝子検査も行っているところもあるので、気になる方は医師に相談してみてください。

AGA遺伝子検査について詳しくはこちらをご覧ください。

髪の毛が以前よりも細くなった

髪をセットしたり洗髪をしたりすると頭髪に触れますが、その時に以前よりも毛量が減ったと感じるようであれば注意が必要です。AGA(男性型脱毛症)が発症していても、初期の段階では見た目に変化が起きていないので、多くの方が見落とします。DHT(ジヒドロテストステロン)の産生によって抜け毛が増え、そのまま進行すると頭皮が露出し、見た目も変化しているでしょう。

DHTによって乱されたヘアサイクルでは、太く長い毛髪が育ちません。そのため、細く短い毛髪になってしまい、髪の毛がまとまらなくなります。ヘアセットがやりにくいと感じる方も注意が必要でしょう。

AGA治療におけるハミルトン・ノーウッド分類の考え方

ハミルトン・ノーウッド分類表は、AGA(男性型脱毛症)の進行度合いを確認できるの指標であり、その進行度合いによって、AGA治療方法や治療薬などの治療方針が大きく異なる為、非常に重要なAGA治療における指標の1つです。

AGAは進行型の脱毛症ですので、放置しても薄毛が改善することはありません。またAGAは1~2日間で急激に脱毛することは無い為、見た目の変化が表れるまでに時間がかかります。特に、頭頂部から薄くなるvertexの場合には、自分で頭頂部を見ることが中々出来ない為、既にAGAがステージⅢ~Ⅳに進んでいる方がほとんどです。

AGAの場合、頭頂部と前頭部の状態をチェックすることで、発症に気が付くことがあります。薄毛の兆しを見逃さないためにも、日々のケアの際に毛量や髪の毛が細くなっていないかの確認も行ってみると良いでしょう。

記事の監修医師

正木 健太郎銀座総合美容クリニック 院長
【略歴】
・平成14年 岡山大学医学部卒
・平成20年 銀座総合美容クリニック 開院
【所属学会】
・日本形成外科学会 正会員
・日本臨床毛髪学会 正会員
・日本再生医療学会 正会員
・日本美容外科医師会 正会員

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