ヘアサイクルとは ~AGAや薄毛との関係性~

 
ヘアサイクルとは1つの毛根から髪の毛が生まれ、太く長く成長し、最後に抜け落ち、また新たな髪が生えてくるといった「髪の毛の生え代わり」の一連の流れを指し、毛周期ともいわれています。

人間の頭髪は約10万本あるといわれていますが、それぞれ1本1本の毛髪が異なるヘアサイクルで髪の成長を繰り返しています。その為、一般的には1日に50~100本前後の髪が抜け落ちますが、同程度の量の髪が新たに生えてくることで、髪のボリュームを一定に保っています。

しかし、AGAになるとこのヘアサイクルのリズムが崩れることで薄毛が進行してしまいます。では、具体的にAGAがヘアサイクルにどのような関連性があり影響を及ぼすかを詳しく説明していきます。

ヘアサイクルとは

髪の生え変わりであるヘアサイクルは、1つのサイクル(周期)を以下の4つのプロセスに分けて考えることが出来ます。

通常のヘアサイクル

1:髪が生え成長を続ける「成長期」
2:成長が緩やかになる「退行期」
3:髪の成長が止まり抜ける準備となる「休止期」
4:髪の毛が抜け落ちる「脱毛期」

通常はこの1~4のヘアサイクルを約2~6年かけて1周し、抜け落ちた毛根から新たな髪の毛が生えてきます。そして、その新しい髪の毛も同様に1~4のヘアサイクルを約2~6年かけて1周します。

ヘアサイクルの4つのプロセス

この「成長期」「退行期」「休止期」「脱毛」のプロセスでは、髪の毛に具体的に何が起こっているかを以下から詳しく解説していきたいと思います。

成長期(約2~7年)

新たに生えてきた髪の毛は、産毛の状態から1ヶ月かけて太く成長し毛根から頭を出します。その後、2年ないし6年かけて毛母細胞が分裂を繰り返し、1ヶ月で1cm程度、髪を伸ばし成長しています。

退行期(約2週間)

毛母細胞の細胞分裂の活動が弱くなり、毛球部が徐々に萎縮をはじめて約2-3週間で完全に髪の毛の成長が止まります。

休止期(約3カ月)

完全に髪の毛の成長が止まった状態で3カ月程度毛根に留まります。その間は髪の毛は長くなることや太くなることはなありません。

脱毛期

同じ毛穴から新しい髪が生えてくることで、髪が自然と押し出されて脱毛したり、洗髪やブラッシングなど髪に力が加わった際などで自然と髪が抜け落ち脱毛します。

ヘアサイクルとAGAの関係

では、AGAになるとこの通常のヘアサイクルにどの様な影響を及ぼし薄毛が進行するのかを解説していきます。

まず、そもそもAGAとは髪の悪玉男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)が本来2~6年あるヘアサイクルを徐々に短縮していき、最終的には数週間から数か月程度までサイクルが短くなることによって薄毛の症状が進行していきます。

AGAの詳しいメカニズムについて知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

詳しくはこちらの記事をご覧ください
AGAになった場合のヘアサイクル

具体的には図のように、AGAになると約2~6年ある髪の毛を太く長く伸ばす成長期が徐々に短くなっていきます。

仮に4年のヘアサイクルが2年になると、単順計算で1日あたりの抜け毛の量が倍になり、そのことで初期症状としては抜け毛の増加が感じられます。

しかしながら、髪が抜けた毛根から新たに髪が生えてくるので、急激な髪のボリュームの低下はAGAの初期段階では認められません。

ただ、更にAGAの症状が進行すると、成長期において本来は太くなるべき髪が、毛根の委縮により太くならず細い髪の毛のまま、時には産毛のまま太くなることなく一生を終える「毛髪のミニチュア化」を引き起こします。

これにより頭髪ボリュームとしての髪の毛1本の価値は下がり、髪のボリュームを作れないミニチュア化した産毛の様な髪が増えることで、髪の本数自体は変わらないにも関わらず頭頂部や前額部の頭皮が露出する状態が徐々に目立つようになっていきます。

また、ミニチュア化した髪が生え変わることにより、抜け毛の中に産毛や細く短い毛が混ざり始めます。

ヘアサイクルの一生(サイクル回数の限界)

人の一生において、この髪の毛の生え変わりであるヘアサイクルは、決して無制限にくりかえされる物ではありません。1つの毛根は約40~50回程度の生え代わりを繰り返すともいわれています。

仮にヘアサイクルを1周するのに2年と見積もったとしても50回転すれば100年程度の期間となり、生え代わりが有限とはいえ人間の寿命内にヘアサイクルが終了することは無いので、本来薄毛に悩むことはありません。

しかしながら、AGAになることで髪の悪玉男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)により成長期が短縮されると、この成長期が大きく短縮されることで人生半ばにして一生分のヘアサイクルを終えてしまう事になるのです。

ヘアサイクルを全て終えた毛根からは産毛が生えることも無く、AGAの最終段階では完全に頭皮が露出されます。

仮にこの様な状態になってしまうと、現代の医療では髪の毛を生やすことは難しいといわれています。

ヘアサイクルの乱れは早期のAGA治療が重要

生え代わりが終わると治療の手立てがなくなることからも分かる通り、AGAの治療で何よりも重要なのがヘアサイクルの寿命が出来る限り多いうちに「AGA治療を早期に開始すること」です。

まず、現代医療ではあくまで生え代わりの残っているヘアサイクルに対して、成長期の期間を元に戻す「フィナステリド」や「デュタステリド」と呼ばれる薬の治療が基本となります。

フィナステリドについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

詳しくはこちらの記事をご覧ください

デュタステリドについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

詳しくはこちらの記事をご覧ください

なぜAGA治療は早期に開始することが重要かというと、フィナステリド及びデュタステリドも服薬を初めて急激にヘアサイクルの成長期の期間が元の状態に戻る訳ではなく、半年~1年かけて徐々に髪の毛が太く長くのびていきます。

ただ、当然その間もヘアサイクルの寿命を消化していきますので、成長期が元に戻りきる前にヘアサイクルの寿命が尽きてしまった、また成長期が元に戻ったがあと数回しか寿命が残っていない等のケースが考えられます。その為、治療開始が早ければ早く、ヘアサイクルの寿命が残ってるほど、薄毛に悩む前の元も毛量に戻る可能性も高くなりますし、また元の毛量に戻った後にもその状態をキープしやすい傾向にありることが理由です。

「抜け毛が増えてきた」「地肌が露出し始めた」等の初期症状を感じ始めたら、出来る限り早い段階で皮膚科やAGAクリニックで診断を受けるようにしてください。

記事の監修医師

正木 健太郎銀座総合美容クリニック 院長
【略歴】
・平成14年 岡山大学医学部卒
・平成20年 銀座総合美容クリニック 開院
【所属学会】
・日本形成外科学会 正会員
・日本臨床毛髪学会 正会員
・日本再生医療学会 正会員
・日本美容外科医師会 正会員

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