AGA治療費用の相場やその考え方

 
進行性の脱毛症であるAGA(男性型脱毛症)はクリニックの治療による改善効果が認められていますが、そのAGA治療費用や治療方法はクリニックによって大きな差がある為、適正な市場価格や費用に対しての考え方を把握しておくことが重要です。

この記事では、これからAGA治療をはじめる方や現状の治療費用に疑問がある方に向けて、一般的なAGA治療の相場について解説します。

AGA治療費用の考え方

AGA治療にかかえる費用は大きく2つに分けられます。「診察や血液検査費用」「治療費用(投薬治療、注入治療、自毛植など)」に大別することができます。

そしてAGA治療における第一選択は「AGAの改善効果の期待が高い点(※2)」「治療費が安価に収まる点」「身体への負担が少ない点」などから一般的に投薬治療と考えられており、多くのクリニックでは内服薬や外用薬といった薬剤での治療を行っています。

投薬治療は医師によって処方された治療薬を服用することでAGA改善を試みます。治療薬は1ヶ月単位で処方されることが多く、医師による薬の効果の確認や副作用のチェック等、経過観察のために定期的な通院が必要になります。

なお、最近では3か月や半年分の内服薬をまとめて処方するAGAクリニックもありますが、その間の客観的な治療効果や副作用の観察が全く出来ない点など鑑みると、初めてAGA治療をする場合であれば最初の数か月は毎月医師の診察を受けた方が賢明でしょう。

最近では診察やカウンセリングの料金を無料に設定しているクリニックが増えているため、投薬治療の主要な費用は薬剤費と考えて良いでしょう。

初月のAGA治療費用の相場

では、一般的なAGAクリニックの費用の相場を紹介します。特に通院初月に関しては治療費用だけでなく「カウンセリング・診察(初診)料」「血液検査」などが掛かるクリニックが一般的ですが、2カ月目以降はかからないので費用が少し安くなる傾向があります。

初月のAGA治療の料金相場は以下の通りです。
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診療内容 費用相場
カウンセリング・診察料 無料〜3,000円/回
血液検査 約3,000円〜5,000円/回
治療費用(薬代) 約3,000円〜30,000円/月
総額※3 約6,000円〜38,000円/月

上述の範囲外の料金を設定しているクリニックも存在します。また注入治療や自毛植毛を選択した場合はこの限りではありません。

※2 ガイドラインの推奨度の説明

※3 2回目以降の治療は「血液検査」「診察料」などを含まないクリニックが一般的です。

AGA治療の選択肢

AGA治療の中で最も基本となるのが「投薬治療」です。薬剤を用いてAGA改善を図る治療方法で、経口摂取によって体内から薬剤を吸収する「内服薬」と、頭皮に直接薬剤を塗布する「外用薬」に分けることができます。

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「フィナステリド内服薬」および「デュタステリド内服薬」や「ミノキシジル外用薬」が代表的な治療薬であり、日本皮膚科学会が定める「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」において最も推奨度の高い治療方法とされています。

次の「注入治療」は体外から有効な成分を直接頭皮に注入する治療方法です。名称はクリニックによって異なり、「成長因子療法」「育毛メソセラピー」「グロースファクターセラピー」「HARG療法」など様々な治療名で表記されますが、基本的に同じ治療を指しています。

注入治療では「成長因子(グロースファクター)」(体内で特定の細胞増殖や分化促進といった働きをするタンパク質の総称)と呼ばれる有効成分を頭皮に注入することでAGAの症状の改善を図ります。

注入治療に使用される成長因子の種類は多岐におよび、明確な規定はなく配合される成分はクリニックによって様々です。

注入治療について詳しくはこちらをご覧ください。

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自分自身の髪の毛を移植する「自毛植毛」もAGA治療に有効な手段の1つです。AGAの影響を受けづらいと考えられている側頭部や後頭部の髪の毛を採取し薄毛部位に移植します。

植毛の術式は毛包単位で移植片を採取する方法が一般的であり、メスを使用する「FUT法」や医療用パンチ※1を使用する「FUE法」などが代表的な自毛植毛術として浸透しています。

※1「医療用パンチ」
手術などに使用する医療用の器具

参考:「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

AGA治療別の費用相場

上記で紹介した代表的なAGAの治療方法である「投薬治療」「注入治療」「自毛植毛」ですが、それぞれの治療費用の相場はまったく異なっています。

投薬によるAGA治療費用の相場

一般的にAGA治療に使用する薬剤は、症状の抑制を目的としたフィナステリドおよびデュタステリド内服薬、発毛の促進効果を期待できるミノキシジル内服薬やミノキシジル外用薬が使用されています。

それぞれの治療薬の一般的な費用相場は以下の通りです。
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薬品名 費用相場
フィナステリド内服薬(1ヶ月) 約3,000円〜6,000円
デュタステリド 内服薬(1ヶ月) 約7,000円〜9,000円
ミノキシジル内服薬(1ヶ月) 約6,000円〜12,000円
ミノキシジル外用薬(1ヶ月) 約7,000円〜9,000円

上述の金額は1種類の治療薬を1ヶ月服用する場合の費用相場です。

症状の進行状態により治療薬の濃度を変更したり、2種類の治療薬を併用したりすることもあり、それらの調整はクリニックや担当医師の治療方針により様々です。

注入施術によるAGA治療費用の相場

育毛メソセラピーに代表される注入治療は複数回の治療が必要です。具体的な回数や治療期間はクリニックにより差がありますが、一般的に月に1回の治療を3回〜12回程度継続します。

注入治療はクリニックによって配合される成分が異なり、注入内容によって治療費用が大きく増減する点に注意が必要です。

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施術名 費用相場
メソセラピー 約20,000~50,000円/回
ヒト由来の成長因子(HARG※6) 約180,000円〜230,000円/回

※6「HARG」
幹細胞から抽出した各種成長因子を含む「AAPE」と呼ばれるタンパク質を注入する治療。効果や効能は一般的なメソセラピーと類似している。

自毛植毛によるAGA治療費用の相場

治療は基本的に1回で終了します(AGAの進行状態によって追加の植毛が必要になる場合もあります)。

自毛植毛では治療回数ではなく、植毛の範囲や植毛数によって料金プランが設定されています。

具体的には基本料金に加えて移植する毛包の単位である「グラフト」の数によって治療費用が変動します。

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グラフト 費用相場
基本料金 無料〜約300,000円
500グラフト 約500,000円〜600,000円
1,000グラフト 約800,000円〜1,000,000円

※移植するグラフト数や術式の種類によって、上述の金額より高額な治療費用が必要になる場合があります。

AGA治療は保険適用外

病院で医師の診察を受ける場合、診療には公的な医療保険が適用される「保険診療」と、適用されない「自由診療」の2種類が存在します。

保険診療は保険証を提出することで負担額が原則3割になりますが、保険の効かない自由診療は全額自己負担となります。

厚生労働省の認可がない未承認の医薬品を使用する場合や、美容整形や脂肪吸引など診療の目的が傷や病気の治癒で無い場合はすべて自由診療となり、AGA治療は保険適用外の自由診療に該当します。

治療費に幅が出てしまうのは、自由診療の価格設定はクリニックの裁量に一任されているためです。

また、ビタミンなども配合したクリニックオリジナルの治療薬※4と低価格な医薬品であるジェネリック薬※5の存在も価格差要因の1つであるでしょう。そしてAGAの進行状態によって治療費用が変動する点も見逃せません。症状が軽度であれば必要最低限の治療で改善効果を実感できるかもしれません。

しかし、症状が重度であったり治療中の方法で効果が見られない場合には、薬の濃度を上げたり、他の治療を試す等で追加の治療費用が必要になることもあるでしょう。

クリニックでは様々な状況を想定して料金プランを設定しているため価格に幅ができてしまうのです。

ただ、薬剤を混ぜ合わせても薬の相乗効果を得られる訳ではなく、あくまでも得られる薬の効果は、混ぜる前の薬の範疇を超えることはありません。

AGA治療と健康保険について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

詳しくはこちらの記事をご覧ください

※4「クリニックオリジナル治療薬」
「フィナステリド」「ミノキシジル」「デュタステリド」など複数の薬を混ぜ1剤にした薬や、それらの薬に頭皮や髪の毛に有効とされる様々な添加物を配合してオリジナルとしている治療薬です。

※5「ジェネリック薬」
後発医薬品。先発医薬品の特許期間満了に伴って発売される効能・効果が同一の医薬品。先発薬に比べ低価格で購入できる。

AGA治療は費用でクリニックを選ぶべきか

AGA治療は発毛を実感し薄毛の改善が目に見える形で現れるまでに平均して6ヶ月程度かかるといわれています。

AGAは進行性の脱毛症という特徴をもっているため、治療効果を維持するためには治療を継続しなければなりません。

AGAの治療費用は1度の診察費や短い期間の治療費だけで判断するのではなく、効果が実感できるまでの期間や、その後の状態維持に必要な治療費まで考慮する必要があります。

ただし、症状を正確に把握せず安価な治療を継続しても満足いく結果は得られないでしょう。まずは医師と相談して自分自身にあった治療方法を見つけること、そしてしっかり毎月しっかり医師が診察してAGA治療の効果検証ができるクリニックを見つける事が先決です。その上で最も安全で経済的な負担の少ないクリニックを選ぶべきでしょう。

AGA治療費用と治療効果の関係

AGA治療は単純に投資額を増やせばより高い発毛効果が期待できるとは言い切れません。その理由は、患者それぞれの体質や症状の進行状態には個人差があり、人によって最適な治療方法が異なるためです。

治療費用を増やせば高濃度の薬剤使用や費用が高額な施術を受けることは可能ですが、その方法が必ずしも自分自身にとって満足できる結果をもたらすとは限らないのです。

医師と相談の上で異なる治療方法に踏み切ったり、新たな治療薬を使用することで以前よりも改善効果を実感できた事例は多く存在します。

しかし、それは医師による正確な診察と診断の元に判断された治療の結果であり、闇雲な散財によって治療薬の量を増やしたり根拠の乏しい治療方法を実践したことによる効果ではありません。

投資費用を増やしたからといって必ずしもAGA改善効果が高まるわけではないのです。

ただ、国内で流通している薬はある程度の相場が決まっているので、逆に安価過ぎる治療費用にも注意が必要です。個人輸入の様にただ薬を海外から仕入れてそのまま横流しをするケースや、医師法により薬は必ず医師が処方箋を書いて患者様に薬を処方することが義務づけられていますますが、医師が介在せず薬を処方することで薬の費用が安くするなどのケースもあります。

AGAの治療費が安くなることは患者様にとって負担が軽くなり良い事ではありますが、薬の処方を受ける際は、安全にAGA治療を続ける為にも、診察を受ける度に相手が医師であることの確認をしっかり取って薬の処方を受けましょう。また、副作用などで体調面の不安が出た際には直ぐに医師に相談できる病院を選びましょう。

参考:医師法 処方せんの交付義務

AGA治療費用は一生かかるのか

現在のAGA治療における目的は、症状を抑制し発毛を促進することで新たな髪の毛を生やすことです。

治療や薬剤によって一定の効果が証明されているAGA治療ですが、治療の効果はあくまでも症状を抑えることです。

AGAは未だに解明されていない点も多い脱毛症であり、現在の医療で完治させることはできません。

また、AGAは進行性の脱毛症であるため治療によって発毛を実感し満足な結果を得られたとしても、状態維持のためには治療の継続が必要になります。

治療を中止すると時間の経過と共に脱毛症状は再び現れてしまうため長い期間におよぶ治療が求められます。AGAは症状の改善は可能ですが、完治させることは難しい脱毛症であると認識しておきましょう。

ただ、相対的に歳をとるにつれ自然と同年代の方も加齢により髪も薄くなりますし、髪への価値観も時間と共に変化していくので、そういった事象も天秤に掛けながら治療期間は自分自身で決めましょう。

AGAの治療期間について詳しくはこちらをご覧ください。

記事の監修医師

正木 健太郎銀座総合美容クリニック 院長
【略歴】
・平成14年 岡山大学医学部卒
・平成20年 銀座総合美容クリニック 開院
【所属学会】
・日本形成外科学会 正会員
・日本臨床毛髪学会 正会員
・日本再生医療学会 正会員
・日本美容外科医師会 正会員

監修医師の詳細情報