AGA治療クリニックの比較方法や選び方とは

医療の進歩によりAGA(男性型脱毛症)は治療できる時代になってきており、それに伴いAGAクリニックも多く展開されています。

AGA(男性型脱毛症)は頭頂部と前頭部、いわゆるつむじと前髪の生え際から抜け毛が増えて、徐々に頭皮が透けるようになる進行性の薄毛の疾患で、現在は様々な治療法が存在します。

AGA(男性型脱毛症)のメカニズムについて詳しくはこちらをご覧ください。

AGAとは?薄毛になるメカニズムや原因と治療法

しかし、治療法の選択肢が増えることは薄毛に悩む方たちにとっては大変喜ばしいことではありますが、AGAクリニックによって治療内容、方針や費用は異なり、満足な治療効果を実感するためには、自分自身に合ったAGAクリニック選びが重要となってきます。

この記事ではAGAクリニックを選ぶ上で把握しておきたい基準や要点、比較方法やおすすめの選び方を解説していきます。

AGAクリニックの治療内容

まずAGAクリニックを選ぶ上で重要な事は治療方法や治療内容を把握する事です。AGA治療は特徴によっていくつかの方法に分類することができます。以下に代表的な治療方法をご紹介します。

投薬治療

現在行われているAGA治療の中で最も一般的な方法です。AGAにおける投薬治療は薬剤を経口摂取する「内服薬」と、頭皮に直接塗布する「外用薬」に分類することができます。

使用される治療薬はAGAクリニックによって異なりますが、厚生労働省の認可を受けている治療薬を中心に処方している医院が多いです。

日本皮膚科学会の定める「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」では、臨床試験※1やランダム化比較試験※2の結果から治療薬の効果を分析し、治療における推奨度を公表しています。

ガイドラインの中では「フィナステリド」および「デュタステリド 」内服薬、「ミノキシジル」外用薬の3種類が最も高い評価を受けている治療薬であり、実際にAGAクリニックにおいても薬物治療に使用されている代表的な薬剤です。

フィナステリドやデュタステリドといった内服薬は症状の進行抑制を目的としており、AGAによって短縮されたヘアサイクル※3を健全な状態に戻す働きが認められています。

外用薬であるミノキシジルは正確なメカニズムは解明されていませんが、毛母細胞に作用し、ヘアサイクルの「成長期」を延長する働きや、毛乳頭を活性化させる成長因子の産生を補助する働きにより発毛の促進に効果があるとされています。

投薬治療におけるAGA対策では、この様な「進行の抑制」と「発毛の促進」という2つの観点から改善を試みることが重要であり、症状の進行度によって内服薬と外用薬を併用する場合もあります。

※1臨床試験
ヒトを対象として薬剤や医療器具などの有効性や安全性などを検討するために行われる試験

※2「ランダム化比較試験」
新薬の臨床試験などを行う際に公平性を担保するため、新薬使用のグループと通常薬使用のグループを無作為に分け、臨床の効果・影響を測定する試験。

※3「ヘアサイクル」
髪の毛に存在する一定のサイクル。成長期・退行期・休止期からなり、ヘアサイクルが正常に機能することで髪の毛の健康は保たれている。

注入治療

基本的には投薬治療が中心ですが、「なかなか効果を実感できない方」「早く効果を実感したい方」へのサポート的な治療として、頭皮に直接有効成分を注入する注入治療があります。

AGA対策における注入治療は「育毛メソセラピー」と呼称されることが多い方法です。注入という行為自体を示すメソセラピーは厳密な治療定義が規定されていないため、配合成分や効果は行っているAGAクリニックによって異なります。

また、治療名称も「毛髪再生療法」「再生メソセラピー」「AGAメソセラピー」「成長因子注入治療」など様々であり、必ずしもメソセラピーと表現されるわけではありません。

メソセラピー治療では頭皮に有効成分を浸透させ髪の毛の成長を促します。有効成分には成長因子(グロースファクター)と呼ばれる特定の細胞の分化や増殖促進効果をもつ内因性のタンパク質が用いられることが特徴です。

また、髪の毛の成長に必要な栄養素(ビタミンや亜鉛など)や、フィナステリドやデュタステリド内服薬と同様の有効成分を注入する場合もあり、具体的な成分の種類や配合内容はAGAクリニックによって異なっています。

また育毛メソセラピーと同様の治療では「HARG(ハーグ)」療法と呼ばれている治療が有名です。

Hair(毛髪)、Re-generative(再生)、theraphy(療法)から名付けられたHARG療法は、育毛メソセラピーと同様にタンパク質由来の成長因子(グロースファクター)や、各種栄養素などを配合した専用の薬剤を使用して育毛と発毛の双方から薄毛の改善を図ります。

自毛植毛

自毛植毛とはAGAの影響を受けづらいとされている側頭部や後頭部の髪の毛を採取しAGA罹患部位に移植する治療方法です。

毛根を移植することで、髪のボリュームを増やすだけでなく、移植後もドナードミナントという人間本来の性質により移植前の毛根の性質を移植後も引き継ぐという細胞の性質を利用し、薄毛部位に移植した毛根はその後次第に頭髪と同じように伸び、生え変わっていきます。

移植元の毛根採取方法により術式がわかれており、メスを用いたFUT術とメスを用いないFUE術、専用の細い植毛針を用いたニードル法という3種類があり、AGAクリニックによって扱っている術式は異なります。

AGAクリニックの治療費

次にAGAクリニックを選ぶ上で重要なことは、どのくらいの治療費が必要なのか、その目途を立てることです。この項ではAGA対策にかかる費用について解説します。

治療相場

上述した通り、AGA治療は投薬治療、注入治療、自毛植毛術の3つに大別することができます。中でも内服薬や外用薬といった薬剤を用いる治療方法は治療費を比較的安価に抑えることができる治療方法です。

内服薬は1ヵ月単位で処方するAGAクリニックが多く、費用の相場は数千円〜数万円となっています。

外用薬はAGAクリニックで処方してもらう方法と、一般用医薬品※4として発売されている発毛剤を購入する方法があります。

市販されている発毛剤は平均8千円前後で販売されており、AGAクリニックで処方される外用薬に比べ安価な場合が多いでしょう。

注入治療や自毛植毛は投薬治療に比べ費用が高額になります。
注入治療の相場は数万円〜数十万円、自毛植毛の相場は数十万円〜数百万円と、療費用に大きな幅があります。具体的な理由については次項で解説します。

※4「一般用医薬品」
医師による処方箋を必要とせずに購入できる医薬品のこと。

治療費に幅が出る理由

AGA治療の費用相場に幅がある理由にはAGAという疾患の特徴が関係しています。

AGAは進行性の脱毛症であり何らかの手段を講じなければ症状を止めることはできません。症状が現れる年齢や進行のスピードには個人差があり、罹患者すべてを同列に語ることはできないのです。

そのため、症状の進行度によって必要な治療や期間は変わってきます。軽度の脱毛であれば最小限の費用負担や短い期間で改善を実感できることもありますが、AGAに罹患してから長い年月が経過していたり症状が重い場合には、費用の負担が増加したり治療効果を実感するまでの期間が長くなってしまう可能性があります。

どのような治療方法を選択しても、基本的にはAGAの症状進行に比例して治療費用も高騰する場合が多いです。具体的な治療費用を知りたい場合にはAGAクリニックで医師の診察を受け、自分自身の症状を正確に把握することが最大の近道です。

また、AGA治療が自由診療である点も1つのポイントです。風邪などでかかる内科などのいわゆる一般的な病院は「保険診療」と呼ばれ健康保険が適用される為、診療報酬(医療保険から医療機関に支払われる治療費のこと)にて 1点10円で、すべての医療行為について点数が定められている為、同じ治療内容と薬の処方がされた場合には、全国どの病院でも一律で費用が決まっています。

しかしながら、AGA治療ならびに美容医療を代表する保険外診療は治療費の定めがありません。

それ故に、全く同じ薬や治療であっても、A病院は10,000円、B病院では50,000円というケースもあり得ます。

その為、AGA治療のクリニックを選ぶ際には、病院のスタンスや患者に向き合う姿勢がどのようなものかも、注目をしておくべきポイントといえます

AGAクリニックの治療の流れ

そしてAGAクリニックを選ぶにあたり、通院でどのような治療をするかなど、AGA治療クリニックの一般的な治療の流れを把握することも重要です。クリニックによって異なるため、ここでは大まかな流れをご紹介しますので、参考までにご覧ください

初回のカウンセリング

最初にクリニックに予約をすると、まずカウンセリングを受けるケースがほとんどです。

医師によるカウンセリングもあれば、最近のAGAクリニックは医師とは別に専門のカウンセラーが常駐していることも多く、薄毛に対する悩みや希望など治療に関する様々な疑問や不安を相談することができます。

AGAクリニックの治療方針や費用、治療方法なども詳しく知ることができるでしょう。

初診(初回の診察)

初回のカウンセリング後に治療を開始することを決めると、医師による初診が実施されます。

AGAの進行状況、症状を総合的に判断し治療方針を決定していきます。一般的に内服薬や外用薬などの薬剤を用いた治療からはじめることの多いAGA治療ですが、症状の進行具合や予算によって注入治療や自毛植毛からはじめることもあるでしょう。いずれの場合も医師と相談の上、自分自身が納得できる治療方法を選択することが大切です。なお、オンライン診療だと画面の先の人物が医師なのかカウンセラーなのか分からない場合も多いので、必ずその場合は医師である事を必ず確認しましょう。

血液検査

AGA治療薬では血圧に作用するものもある為、一般的に血液検査をして健康上の問題の有無を医師が確認してから治療が開始されます。AGA治療を安全に行う上で薬の成分を代謝する肝臓の数値を事前に把握しておくことが重要です。

AGA治療薬の処方

薬剤による治療を選択した場合には治療薬の処方と会計を済ませて終了となります。

治療薬の処方は月単位で行われることが多いため定期的な通院が必要です。基本的には初めてAGA治療する場合には、薬の効果や副作用の有無を毎月細かく医師がチェックした方が安心してAGA治療が始められます。

その他の治療

注入治療や自毛植毛のような施術や外科手術が必要な方法は、治療を受ける日時を決定し、再度来院する必要があるかもしれません。

施術や手術自体は日帰りで可能なAGAクリニックが多く、術後は経過観察のために定期的な通院が必要になるでしょう。

おすすめのAGA治療クリニックの比較方法や選び方

AGA治療の効果を満足に実感するためには自分にあったAGAクリニック選びが重要です。自分に合ったAGAクリニックを選ぶために押さえておくべきおすすめのポイントを以下にまとめました。

比較方法や選び方1:AGAクリニックとの信頼関係が築けるか

AGA治療は1日で終わるものではなく、半年~1年以上の時間は必要になりますので、その期間しっかりと信頼関係を構築して付き合える病院であるかを見極める必要があります。通院した際や電話やメールなどの意思疎通においてスタッフや医師とのコミュニケーションがしっかり取れるかが重要です。

また、薄毛の悩みも患者様にとって多種多様です。AGAクリニックや医師が患者様の悩みを理解し、その上で患者様の目指している「満足」を正確に把握し、悩みや不安に寄り添い共に解決を目指してくれるクリニックを選びましょう。

比較方法や選び方2:自分に合ったAGA治療内容か

一般的にAGAクリニックにおける治療の第一選択は内服薬や外用薬を用いた投薬治療である場合が多く、症状が軽度から中度の場合には最も効果を期待することができる治療方法でしょう。

症状が重度の場合には、薬剤のみによる治療では十分な改善効果を期待できない可能性があるため、投薬治療と併用して注入治療や自毛植毛を行い薄毛改善を図る場合があります。

上述の通り、AGAに対する有効な治療方法は症状の進行具合によって適切な選択肢が異なります。いくつかのAGA病院で医師からの説明をしっかり受けて、自分自身の症状や体質にあった治療方法を行っているAGAクリニックを選びましょう。

比較方法や選び方3:不安なくAGA治療が続けられるか

AGA治療において患者様が最も不安になるのが治療の効果がしっかりでているのか、そして薬の副作用に関してです。AGA治療の効果をしっかり写真等で比較検証して納得して治療を継続できるか。また、薬の副作用の相談を医師が何時でも対応してくれて不安なく治療を継続できるかをしっかりと確認しましょう。

長期的な治療が必要なAGA治療だからこそ、ただ単に治療費用が高い安いで選ぶのではなく、治療の効果を確認し、副作用の不安を払拭しながら安心して治療を継続できる病院を選ぶべきでしょう。

記事の監修医師

正木 健太郎銀座総合美容クリニック 院長
【略歴】
・平成14年 岡山大学医学部卒
・平成20年 銀座総合美容クリニック 開院
【所属学会】
・日本形成外科学会 正会員
・日本臨床毛髪学会 正会員
・日本再生医療学会 正会員
・日本美容外科医師会 正会員

監修医師の詳細情報