テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する5α還元酵素(5αリダクターゼ)にはI型とII型のアイソザイムがあります。
5α還元酵素I型は前頭部、後頭部、髭、腋毛などの毛乳頭細胞に存在が確認されており、至適pHが中性で、脂腺やアポクリン腺において最も活動が活発になります。
この5α還元酵素Ⅰ型は後頭部の毛乳頭にも存在しますが、通常男性型脱毛症で後頭部の脱毛症状は稀なことから、AGAにおける5α還元酵素の関与はI型よりもII型の方が大きい事が分かっています。
2002年にこのI型とII型の両方の還元酵素の働きを抑制するデュタステライドが前立腺肥大症の治療薬としてアメリカで承認されましたが、男性型脱毛症の治療薬としては未だ承認されていません。